少年ジャンプ作品炎上に関してまとめ

今回は「僕のヒーローアカデミア」が炎上している原因を稚拙ながらまとめていきたいと思います。

どういう思いを抱いてるにしろ、一度読んでいただき情報を整理する材料にお役立てしてもらえばと思います。

 

 

※1次ソースを殆ど用意してません。

この情報は鵜呑みにするのではなく、あくまで情報の1部としてお読みください。

 

 

 

【事の発端】

2020年2月3日発売の週刊少年ジャンプ掲載作品「僕のヒーローアカデミア」にて人体実験を行っていたキャラクターの名前が「志賀丸太」であることが判明。この名前が一部国で歴史的冒涜を煽っていると話題になりました。

丸太という名前が、日本が過去に人体実験を行ったときの被害者を比喩した「マルタ」に該当し、人体実験を行っているキャラクターをこの名前にしたのは偶然の一致とは考えにくく、キャラクター名の変更・謝罪を求める声がTwitterを中心に作者、出版社へ集まることとなりました。

 

 

 

【人体実験とマルタについて】

ここでの人体実験は、第二次世界大戦期の大日本帝国陸軍に存在した研究機関のひとつである731部隊が行った実験を指します。この人体実験での被害者を比喩および隠喩で呼称した言葉が「マルタ」であるといわれています。

詳しくは下記にウィキペディアのリンクを張っておきますのでそちらを読む、もしくは自分で調べてください。

ウィキペディア:https://ja.wikipedia.org/wiki/731%E9%83%A8%E9%9A%8A

今回の騒動で、そもそもマルタと比喩されていたこと自体がデマという意見もありますが、今回は真実であることを前提に話を進めます。理由は後述します。

 

上記により、人体実験の被害者である朝鮮人、中国人、モンゴル人、アメリカ人、ロシア人等には「マルタ」は歴史的冒涜を煽る言葉として捉えられるようです。

これがどれだけ各国民に浸透しているかは私個人で調べることは不可能です。

 

ただ例えるとすれば、アメリカのフィクション作品で原爆作成に携わっている登場人物の名前がリトルボーイとなっていれば、日本に対する冒涜だとして日本人は抗議するかもしれません。

実情はわかりませんが、今回はそれに近しい感覚として、一部国からは冒涜的な内容であることを前提に話を進めます。

 

 

 

【作者が冒涜だと「知らなかった」根拠】

出版社・作者共にTwitterで命名にそのような由来はないと表明しています。

 

これで終わりになればいいが、単に言い逃れであり嘘をついている可能性があるとする意見を考慮し、日本人読者視点で理解できる、キャラクターの命名に歴史観の意図はない根拠を説明していきます。

 

本作品のキャラクターはそれぞれ「個性」と呼ばれる特殊な能力を持っています。キャラクターの命名にはその「個性」が由来する名を冠することが多いです。

例えば、セロハンテープを射出できるキャラクターには「瀬呂範太(セロハンタ)」、電気を放出できるキャラクターには「雷電気(カミナリデンキ)」等です。

 

そんな中、個性を持たない(もしくは持っていなかった)キャラクターには「木」が由来する名前が命名されています。例えば主人公である緑谷出久(ミドリヤイヅク)は一部キャラクターから通称デクと呼ばれています。これは出久が「デク」とも読め、無個性で木偶の棒のように役に立たないことから由来しているのが作中で語られています。他にもオールマイトも元無個性であり、本名が「八木敏則(ヤギトシノリ)」と木が使用されています。

 

そして今回問題になった志賀丸太、彼も無個性です。さらに日本では、役にたたない者という意味の言葉「丸太ん棒」があり、緑谷出久の名前の由来とほぼ同じと言えます。

無個性に関連して名付けられたというのは読者であれば疑問なく理解できる点であり、人体実験と丸太が結びついてしまったのは「偶然」であることが根拠として成立します。

一連のTwitterでのコメントを見ていればわかりますが、日本では丸太を人体実験の被検体と結びつける習慣が無いのです。

 

 

 

【結局何が問題?】

日本・外国の2分化して主張を整理します。

 

日本「マルタが人体実験の被害者を指す言葉とは教育されない、作者も知らなかったと主張している」

 

外国「マルタは歴史的冒涜を煽る言葉であり、歴史上に確かに存在し傷つく人が居る」

 

ざっくりこういう構図になります。

ここでお互い理解しがたい価値観の違いが生まれてしまい、これを確かめるには個人では力不足といえるでしょう。

外国人が「日本で本当に丸太は木として以外使われないか」、日本人が「マルタは本当に外国で侮辱を煽る言葉として浸透しているか」なんて知りえないです。

 

だからこそ一度、どちらの主張も正しいとして問題を再認識してください。

 

 

相手が言ってることは自分の価値観では受け入れられない内容だから全部嘘だ。

では話し合いにならないです。

 

 

これに善悪をつけるのであれば、国際的な価値観の違いが招いた偶然であり、非があるとするならばこの価値観の共有ができなかった日本の教育にあります。

作者個人・作品を攻撃していい理由にはなりません。

 

また、週刊少年ジャンプには目次ページに

週刊少年ジャンプに掲載されている作品は全てフィクションです。実在の登場人物。団体、事件などには一切関係ありません」と但し書きがされています。

 

そう、関係が無いのです。

 

この部分を無視して実在の隠喩と本作を結び付けて攻撃することを肯定できるとは到底思えません。

 

とはいえ、特定の地域で不本意に不快感を煽る内容であることに現状違いはありません。

世界中に読者がいる作品だからこそ、配慮が欠けていた部分は可能な限り修正すべきだとは思います。

 

そういう意味では、今回寄せられた意見を受け止め、名前の変更をその日のうちに決定し連絡した

作者・出版社の対応は正しかったと僕は思います。

 

 

 

【現在の状況】

上記を読んでいただければ、問題の根本は価値観の違いであることがなんとなくでも理解していただけたと思います。

しかし、現在のTwitterでこの部分を主張している声は少ないです。

お互いの主張の真偽を問いただすことに夢中で何が問題なのか理解できていない

…なら、まだマシです。

 

しかし、現在この作品は政治的な主張に利用されています。

端的に言えば

 

 

反日感情を高ぶらせて日本の正しい歴史を認識できないことを攻撃する外国

 

 

嫌韓・嫌中を高ぶらせて根拠もなく主張を続ける外国人に民族的劣等生を指摘する日本人

 

 

この二つの意見が罵声とともに「僕のヒーローアカデミア」というタイトルを背負って

行きかっているのです。

 

誰も「僕のヒーローアカデミア」の話をしていません。

 

自分だけの価値観で普遍的真実と決めつけた正義の秤で気持ちよく殴ってるだけです。

 

ましてや、作品を外国人にも不快なく読んで欲しいという思いからであろう、作者がキャラクターの名前を変更すると決断したことに

「クレーマーの暴力に屈した出版社」と日本人が叩く始末です。

 

 

もう誰も「歴史観を正す」「作品を守る」話なんてしていません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分が気持ちよくなるためだけに腕を振ってないか今一度確かめてください。

 

願わくば、その秤を持ち上げるのに作品を利用するのはもう辞めてください。

 

これは価値観の問題ではなく、読者個人としての願いです。